アメリカで使える携帯電話 ~アメリカでバリ3(死語?)~

携帯電話はもはや生活必需品。

日本のスマホはアメリカでも使えるの?
アメリカでスマホを買う必要があるの?
SIMロックは解除しないと使えないの?

そんな疑問にお答えします。

日本以上にe-コマースが発達していて、どんなお店もアプリがあって、ことあるごとにSMS認証や電話認証が求められます。またアメリカ人は電話するのが大好き。何かメールで問い合わせても、「電話していいか?」と言われます。そういう社会なので、アメリカではスマホは日本以上に必需品です。

日本のスマホはアメリカでも使えるのか

最近のスマホにはほとんど、「世界対応」とか書いてありますよね?では、日本のスマホをアメリカに持って行って、現地携帯電話会社のプランで電話やネットができるのでしょうか?

答えは“NO”です。

正確に言うと、一部機種の一部のキャリア以外、アメリカでそのまま使うことは不可能です。(通話は2G, 3Gが対応しているので、ほとんどのスマホで可能だと思われる。)

なぜなのか?どういう対策が必要なのか?これから説明していきます。

アメリカは携帯電話の電波の周波数帯が全く異なる

携帯電話は電波を用いて通話やデータ通信を行います。携帯電話の電波には「周波数帯」というものがあります。ひと昔前に「プラチナバンド」というCMがよく流れていましたが、これは「新しい周波数帯で通信できるようになりましたよ」ということです。

携帯電話は機種によってデータを送受信できる周波数帯が異なります。これを「対応バンド」と呼びます。またドコモなどの通信会社はそれぞれ、通信サービスを提供する「バンド」をもっています。携帯電話会社の「バンド」に携帯電話の「対応バンド」が対応しなければ通信できないということになります。

現在多くのスマホがカバーする通信方式は、2G(通話), 3G(通話、一部データ), 4G LTE(データ、一部通話)ですが、4G LTEでアメリカと日本の違いを見てみましょう。

さて、アメリカの4大通信会社 AT&T, Verizon, T-mobile, Sprintのサービス提供バンドは以下の通りです。(太字はメインバンド)

4Gバンド
AT&T2, 4, 5, 12, 14, 17
Verison2, 4, 5, 13
T-mobile2, 4, 12, 66, 71
Sprint25, 26, 41
https://www.phonearena.com/news/Cheat-sheet-which-4G-LTE-bands-do-AT-T-Verizon-T-Mobile-and-Sprint-use-in-the-USA_id77933より抜粋

さて、日本の3大通信会社 Docomo, au, Softbankのサービス提供バンドは以下の通りです。(太字はメインバンド)

4Gバンド
Docomo1, 3, 19, 28, 42
au1, 3,11, 18, 42
Softbank1, 3, 8
https://telektlist.com/carrier-bands/より主力バンドを抜粋

このように日米で全く異なった周波数帯が使用されています。日本で販売されているスマホは当然、日本の周波数帯に最適化されているので、バンド2,4がメインのアメリカ・カナダでは日本のスマホは対応外となることが多いというわけです。

また、3Gについては、4Gよりカバーエリアが広く、電話に重要です。AT&T, T-mobileは日本でも一般的なW-CDMA/UTMS/HSP方式ですが、VerizonとSprintはCDMA-2000方式で、日本ではauが採用しています。

なお、2Gについては、AT&Tが2017年にサービスを終了しているように、アメリカではあまり重要ではなくなってきていますが、世界ではまだ広く使われています。

3Gバンド
AT&T2, 5
VerisonCDMA 800, 1900
T-mobile2, 4
SprintCDMA 800, 1900
https://www.androidinfotech.com/us-mobile-operators-bands/より抜粋

どんなスマホであればアメリカの周波数帯に対応しているのか

手持ちのスマホがアメリカで使えるかどうかは、まずは対応バンドの確認を行ってください。アメリカで使うには4GLTEバンドの2,4,5,12,13,17あたりのバンドに対応している必要があります。Sprintは全く別のバンドへの対応が必要です。

日本でシェアの高いメーカーの国内版最新モデルの対応バンドを見てみましょう。(バンド情報には公式サイトの情報を用いました。メーカーはキャリアによって対応バンドを変えているので、まとめサイトの情報は間違っていることがあります。)

① Apple iPhone 11(モデルA2221)

FDD-LTE:バンド1,2,3,4,5,7,8,11,12,13,17,18,19,20,21,25,26,28,29,30,32,66

TD-LTE:バンド34,38,39,40,41,42,46,48

3G(CDMA-2000):800, 1900
3G(W-CDMA):1, 2, 4, 5, 10

公式サイトの情報を一部改変

日米のバンドにまんべんなく対応しています。ちなみにiPhoneは昔から対応バンドの多いスマホなので、私はau版iPhone SE (第一世代)を使っていますが、アメリカで問題なく通信できています。

② SHARP AQUOS Zero2 (SIMフリー版)

日米の重要なバンドをすべてカバーしています。3Gのカバー(AT&T, T-mobile)も十分です。

③ SHARP AQUOS Sense 3 (SIMフリー版)

アンドロイドスマホは廉価版になると対応バンドが極端に少なくなることが多いです。それでもバンド5, 12, 17を搭載しているので、AT&Tのネットワークなら困らないでしょう。3Gもバンド5があるので、AT&Tなら電波をつかめると思います。

④ SONY Xperia 1 (ソフトバンク版)

AQUOS Zero 2よりは搭載バンドが少ないですが、バンド2, 4, 12, 17に対応しているので、AT&Tなら困らないでしょう。W-CDMAの3Gバンド2, 4を備えるので、AT&T, T-mobileであれば大丈夫でしょう。

⑤ SONY Xperia 8 (Y!mobile版)

Xperia 1に比べてバンド2がなくなり、AT&Tへの対応が少し不安になりますがメインバンド12,17をカバーしているので問題ないでしょう。他方、3Gとなるとバンド4だけになるので、T-mobile以外のネットワークには対応していません。LTE通信ができるところでなければ、困る可能性があります。

⑥ Samsung Galaxy Z Flip (au版)

サムスンの発表した最新超高額折りたたみスマホです。しかし対応バンドを見てください。アメリカでカバーされるバンドはほとんど搭載されていません。

サムスンのスマホは対応バンドがキャリアに特化されているため、別キャリアで使えるものはほとんどないと思います。

アメリカでもそのまま使えるスマホはiPhoneかAQUOS Zero2, Xperia 1 (AT&T限定)あたりが安心ということになります。特にiPhoneはアメリカのすべてのキャリアに対応しています。

アメリカで使うならSIMロック解除を忘れずに

SIMロックとは、スマホをほかの携帯電話会社で使えないようにする仕組みです。

アメリカで使うためには、もともとSIMフリーとして売られていたものでなければ、必ずSIMロックを解除してもらいましょう。

SIMロック解除には様々な条件が課せられています。特に中古端末を購入してSIMロック解除する場合には、その端末が渡米前にSIMロック解除可能かどうか確認してから購入するようにしてください。

ちなみに、auのスマホであれば、H2O mibileというKDDIの子会社が提供するSIMを、SIMロック解除なしに使うことができます。(自分で確認済)

何も考えず渡米してしまいました。日本のスマホは使えますか?

お持ちのスマホがauで、かつAT&Tのバンド(2, 4, 5, 12, 14, 17)に対応していれば、H2O mobile (AT&TのMVNO)であれば、SIMロック解除していなくても通信できると思います。

ソフトバンクのスマホを利用していて、まだソフトバンクの契約が残っていれば、「アメリカ放題」を利用することができます。(申し込み不要。)この場合も、スマホがアメリカのバンドに対応していれば通信できます。

下の記事ではソフトバンクのアメリカ放題、アメリカでスマホを買うときの注意点や、アメリカの携帯電話プランの選び方についてご紹介しています。

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